今回は「対面証券会社でIPO株が欲しい!」と考えている人に向けて書いた記事です。
IPO株は、ネット顧客にとって不利になるように制度設計されています。
そのため、当選する可能性はありますが、ほとんど当選しないのが実情です。
IPO投資で大きく儲けるには、対面証券会社と上手に付き合うことが欠かせません。
「大変でも良いからIPOで大きく儲けたい!」という人は、記事をチェックしてください。
対面証券会社 | ネット証券会社 |
・野村證券 ・SMBC日興証券 ・大和証券 ・東海東京証券 ・岩井コスモ ・岡三証券 ・三菱UFJ |
・SBI証券 ・マネックス証券 ・楽天証券 ・ライブスター証券 ・カブドットコム ・岡三オンライン ・松井証券 ・GMOクリック |
ネット顧客はIPOに当選するのか
ネットでIPOの申し込みをする人には、ほとんどIPO株の配分がありません。
まずは、現在のIPOの当選ルールを確認しましょう。
下の表の通り、ほとんどの証券会社では、ネット顧客への配分が少ないルールになっています。
証券会社 | 抽選方法 |
SBI証券 (ネット証券) |
70%…完全抽選 30%…チャレンジポイント |
野村證券 (対面証券) |
90%…裁量配分(店頭) 10%…完全抽選配分(ネット) |
SMBC日興 (対面証券) |
90%…裁量配分(店頭) 10%…完全抽選配分(ネット) |
マネックス (ネット証券) |
100%…完全抽選配分 |
大和証券 (対面証券) |
80%…裁量配分(店頭) 15%…完全抽選 5%… チャンス抽選 |
楽天証券 (ネット証券) |
100%…完全抽選配分 |
ライブスター (ネット証券) |
100%…完全抽選配分 |
東海東京 (対面証券) |
90%…裁量配分(店頭) 10%…完全抽選配分(ネット) |
カブドットコム (ネット証券) |
100%…完全抽選配分 |
岡三オンライン (ネット証券) |
90%…ステージ抽選 10%…完全抽選配分 |
岩井コスモ (対面証券) |
90%…裁量配分(店頭) 10%…完全抽選配分(ネット) |
松井 (ネット証券) |
70%以上…抽選による配分 30%以下…抽選によらない配分 |
岡三 (対面証券) |
90%…裁量配分・ステージ抽選 10%…一定抽選 |
三菱UFJ (対面証券) |
90%…裁量配分(店頭) 10%…完全抽選配分(ネット) |
GMOクリック (ネット証券) |
100%…完全抽選配分 |
「ネット顧客へのIPO株の配分が10%しかない」ということは、全体のIPO株のうち”ネット顧客”に10%配分して、”店舗の顧客”に90%配分するということです。
そのため、普通にネットで申し込んでいてもIPO株に当選する可能性は非常に低いです。
対面証券会社でIPO株はもらえるの?
IPO株で儲けるには、対面証券会社からIPO株の配分をもらう必要があります。
そのためには、どうしたら良いでしょうか?
最初に結論から申し上げます。
IPO株は人気なので、”営業マンにとってプラスとなる顧客”にしか配分されません。
担当の営業マンにとって、IPO株の数は限られているのでIPO株は厳選して配分します。
私は、10年近く証券会社で働いてきました。
その経験からいうと、対面証券会社でIPO株をもらえる顧客は、次の4タイプです。
① 属性が良い顧客
② まるい顧客
③ ロットが見込める顧客
④ 損をさせている顧客
IPO株をもらえる上記の4タイプをひとつずつ解説していきます。
もし上記の中で、自分に当てはまる項目があれば大チャンスです。
ぜひ証券会社の営業担当者の気持ちになって、チェックしてください。
①属性が良い顧客
”属性が良い顧客”とは、簡単に説明すると未上場法人のオーナー社長や開業医、元役員などのお金持ちです。
現在の証券会社のルールでは、”属性の良い顧客”に新しく入金してもらった資金で金融商品を買い付けることが、営業担当者の成績を1番伸ばします。
そのため、営業マンは顧客にIPOで儲けてもらい、気分が良くなったところで訪問して”販売したい金融商品”を提案するのが基本戦略です。
もし、あなたが属性の良い顧客なら、IPO株が配分されるチャンスはあると思います。
②まるい顧客
”まるい顧客”とは、担当者の言うことを聞いてくれる顧客のことです。
決して体型のことではありません(笑)。
担当者の言うことを聞いてくれる顧客とは、担当者のことを信頼している顧客のことです。
そのため、営業マンにとっては「1番の宝」です。
証券会社の営業マンになると、人気のない金融商品を販売しないといけない時があります。
例えば、IPO(新規上場)株は人気なので、販売するのに何の苦労もありません。
しかし、人気のないPO(公募増資)や投資信託を販売するのは、かなりキビシイです。
証券会社側からすると「この商品は人気がなかったので販売できませんでした」では済みません。
引き受けた商品を必ずさばくのが”証券会社”なのです。
人気がない商品をさばくとき、活躍するのが”まるい顧客”です。
”まるい顧客”は担当者のことを信頼して言うことを聞いてくれるので、たとえ人気のなさそうな商品でも購入してくれる可能性が高いです。
そのため、営業マンは普段助けてくれる”まるい顧客”をつなぎとめておくために、IPO株を配分してくれます。
③ロットの大きな顧客
ロット(取引金額)の大きい顧客とは、いわゆる大口顧客です。
証券会社の営業マンには、毎月の収益目標があります。
収益目標は、”証券会社”や”支店の規模”、”役職”、”年次”によって大きく変わります。
ハッキリとは言えませんが、大体500万円~1,000万円くらいの収益目標がはりついているイメージで良いと思います。
私は1番収益目標の大きい人で、月2,000万円の数字(収益ノルマ)をもたされている人を見たことがあります。
例えば収益目標が1,000万円の営業マンの場合、100万円や200万円の投資信託を販売しても意味がありません。
200万円の投資信託を販売しても、手数料(3%の場合)は6万円にしかなりません。
むしろ事務手続きが増えるので、全然うれしくないですね。
営業マンにとって効率的に数字を上げるには、できる限り大きなロットで取引してもらう必要があります。
そのため、大きなロットで取引してくれる顧客は、営業マンの生命線になります。
もし営業マンに”大きなロットで取引してくれる顧客”と認識されれば、IPO株をもらうことができるかもしれませんね。
④損している顧客
損している顧客にIPO株を配分するのは、償いのようなものです。
もし担当者にすすめられた商品で損した場合は、「IPO株が欲しい!」と伝えましょう。
もしかしたら、IPO株をもらうことができるかもしれませんね。
ただ、こういった顧客はIPOくらいでは埋めることのできない損をかかえていることが多いですね。
対面証券会社は担当者次第!
対面証券会社と付き合う際に重要な点は、”担当者はどんな人物か”ということです。
まず、最初におこなってほしいことは”担当の営業マンを見極める”ことです。
実は、どれだけ”その人(営業マン)”のために色々しても、恩を恩と感じない人は結構います。
営業マンも人間なので、良い人もいれば悪い人もいます。
「この人と付き合っても無理だなぁ」と感じたら、担当の営業マンを変更してもらいましょう。
その際は本人に伝えなくても、コールセンターに申し出れば変更してくれます。
①そもそも担当者は付いている?
自分の担当者が分からない人は、証券会社から来る書類をチェックしましょう。
もし自分の報告書が”お客様サービス課”のようなグループ管理になっていた場合、営業担当者がついていない状態です。
営業マンがついていない口座では、駆け引きする相手(営業マン)がいないことになります。
その場合、コールセンターに電話して「担当者をつけてほしい!」と言えば、担当者をつけてくれます。
もし「対面証券会社と付き合ってIPOで儲けよう!」と考えている人は、まず担当者を口座につけてください。
②担当者のニーズを把握
対面証券会社でIPO株をもらうには、担当の営業マンと仲良くなる必要があります。
営業マンにとって1番良い顧客とは、目標数字(収益ノルマ)に貢献してくれる顧客です。
その担当者のニーズがどこにあるのか見極めることから始めましょう。
私は、毎回以下のようなことをチェックしています。
・担当者が何を考えているか?
・どういう性格なのか?
・今月困っていそうなことは何か?
・今月販売の難しそうな金融商品はあるか?
・どういったことをすると喜ぶのか?
私は元証券マンなので、大体営業マンの悩んでいることは分かります。
ちょっと良いことをして、IPO株を”裁量配分”してもらうのがいつも使っている手です。
③担当者の言いなりは駄目!
対面証券会社の営業マンと付き合う際、注意することがあります。
それは、”絶対に営業マンの言いなりになってはいけない”ということです。
証券会社の営業マンは、常に上司から数字をあげることを強要されています。
”日大のタックル事件”ときに、タックルした大学生のような精神状態に常にあるとイメージしてください。
そのため、営業マンに1度”まるい顧客”と判断されると次々と無理を言ってくる可能性が高いです。
担当者の言いなりになっていると、”どこかで取り返しのつかない大きな損”をする可能性があります。
強い意思をもって営業マンと対峙するようにしてください。
今回のまとめ
IPOで儲けるには、対面証券会社からIPO株の配分をもらう必要があります。
ネットから申し込んでも、非常に低い確率で”当たった”とか”外れた”を繰り返すしかありません。
資金量のある投資家は、自分の実力でIPO株をゲットしにいきましょう。
対面証券会社でIPO株をもらうには、営業マンから”IPO株を配分すると、メリットがありそうだなぁ”と思わせることが大切です。
具体的には、さきほど説明した下の①~④のどれかに該当していればOKです。
① 属性の良い顧客
② まるい顧客
③ ロットが大きい顧客
④ 損をさせている顧客
私は対面証券会社と付き合う際は『②まるい顧客』に見えるように努力しています。
そのため、申し込みたくないPO(公募増資)などに付き合うこともあります。
営業マンのノルマ達成に貢献すると、すごく喜ばれます。
ただし、営業マンの言うことを全部聞いてしまうと、間違いなく大きな損をすることになります。
”営業マンの言いなりになった顧客は儲からない”というのは、証券業界の常識です。
担当の営業マンと対等な付き合いをして、上手くWin-Winの関係を築くようにしてください。
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