バイオベンチャー企業のIPO(新規上場)は、普通の企業のIPOとはまったく違います。
実はバイオベンチャーのIPO案件は、一般的なIPO案件とくらべて”損する可能性が高い”です。
もし、バイオベンチャーのIPOが発表されたときは、いつもより慎重に判断するようにしてください。
バイオベンチャーのIPOは要注意!
バイオベンチャー企業の最大のリスクは”将来の事業や収益が予測しづらい”ことです。
そのため、普通の企業にくらべて投資のリスクが大きくなります。
バイオベンチャー企業の仕事は、薬をつくることです。
実はひとつの薬をつくるプロジェクト(パイプライン)がスタートして、医薬品として売り出されるまで最低でも10年近くかかります。
さらに、途中で意に沿わない研究データが発見されると、研究をストップしなくてはいけない可能性もあります。
そのため、普通のビジネスにくらべて非常にリスクが高くなります。
さらに、上場するバイオベンチャーは赤字です。
薬をつくるのに多額のお金が必要なので、赤字の状態で上場せざるを得ない状況です。
さらに、上場した後でも赤字が続くのが普通です。
下の図は、日本で上場したバイオベンチャーの赤字期間の一覧です。
ピンク色の網掛けになっている部分が赤字です。
「経済産業省 生物化学産業課」
バイオベンチャーが赤字なのは、日本だけではありません。
下の図は、米国で上場したバイオベンチャーの赤字期間の一覧です。
ピンク色の網掛けになっている部分が赤字です。
米国の方が赤字の金額が大きいですね。
「経済産業省 生物化学産業課」
過去のバイオベンチャーのIPOパフォーマンス
過去のバイオベンチャーのIPOパフォーマンスはこちらです。
2013年はバイオ・ブームだったため、パフォーマンスが非常に良いですね。
銘柄によっては損する可能性があるので、注意しましょう。
企業名 (コード) |
上場日 (市場) |
利益の金額 (利益の%) ※初値 ※公募 |
Delta-Fly Pharma (4598) |
2018年 10月12日 (東M) |
-385円 (-8.1%) ※4,385円 ※4,770円 |
ソレイジア・ファーマ (4597) |
2017年 03月24日 (東M) |
+49円 (+26.5%) ※234円 ※185円 |
ヘリオス (4593) |
2015年 06月16日 (東M) |
+270円 (+22.5%) ※1,470円 ※1,200円 |
ブライトパス・バイオ (4594) |
2015年 10月22日 (東M) |
-36円 (-8.0%) ※414円 ※450円 |
サンバイオ (4592) |
2015年 04月08日 (東M) |
-290円 (-14.5%) ※1,710円 ※2,000円 |
リボミック (4591) |
2014年 09月25日 (東M) |
-470円 (-20.4%) ※1,830円 ※2,300円 |
メドレックス (4586) |
2013年 02月13日 (東M) |
+1,200円 (+120%) ※2,200円 ※1,000円 |
オンコリスバイオファーマ (4588) |
2013年 12月06日 (東M) |
+900円 (+34.6%) ※3,500円 ※2,600円 |
ペプチドリーム (4587) |
2013年 06月11日 (東M) |
+5,400円 (+216%) ※7,900円 ※2,500円 |
今回のまとめ
今回の記事はこちらです。
・バイオベンチャーIPOは、普通のIPOより損する可能性が高い
・バイオベンチャーは、赤字で普通
・日本も米国もバイオベンチャーは、赤字で普通
・過去のIPO実績をみると、損する案件が多い
バイオベンチャーのIPO案件は、年に数社あります。
普通のIPOとはちがい、バイオベンチャーのIPOはリスクが高いので注意してください。
バイオベンチャーは将来の事業や収益が予測しづらいので、1度株価が下がり始めると大きく損する可能性があります。
もしバイオベンチャーのIPOが発表されたら、ちょっと注意するようにしてください。
関連資料
経済産業省『バイオベンチャーのビジネスモデルと資金調達のあり方』
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